共通会員制クラブを運営するゴルフ場経営大手の㈱太平洋クラブ(東京都港区)と子会社6社を含めた計7社が1月23日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。また、スポンサーを㈱アコ-ディ・ゴルフ(本部-東京都港区)としたプレパッケージ型の申請となっている。
申請した子会社6は、㈱太平洋ゴルフサービス、太平洋ゴルフスクエア㈱、㈱太平洋アリエス、太平洋ヒルクレスト㈱、太平洋ティ・ケー・エス㈱、太平洋トリアス㈱。㈱太平洋ゴルフサービスはゴルフ場の運営、経営さらには関連事業等に携わるグループの全従業員が在籍している。太平洋ゴルフスクエア㈱はゴルフ用品販売、会員権ローンの管理業務などを事業としている。他4社はゴルフ場の保有等となっている。本体の㈱太平洋クラブは6カ所のゴルフ場を保有する他に、会員の預託金(多くは430万円、最高額は650万円)を管理している。
㈱太平洋クラブは、平和相互銀行(現在は三井住友銀行)が主体となりS46年5月に設立された。環太平洋にゴルフ場100コースを造るとした壮大な構想を発表し、S47年に男子トーナメントの太平洋クラブマスターズ(現・三井住友VISA太平洋マスターズ)を初開催、48年から1次募集として480万円(預託金430万円)で共通会員の募集を行うなど、ゴルフ界にインパクトを与える企業活動を開始し、47年から50年までプロ野球球団を所有するなどで、太平洋クラブのブランドを広めていった。H4年3月にはアメリカのペブルビーチ・ゴルフリンクスなど4ゴルフ場を買収(11年6月に売却)、9年頃から国内のゴルフ場を買収するなど積極的な事業展開を行い、13年4月には第2の共通会員制クラブ“太平洋アソシエイツ”を発足させるなどした。
会員に提供したゴルフ場の第1号は、熊谷組系列から賃貸した太平洋C木更津コース(現・南総CC)で、49年には自社開発の札幌コース、白河羽鳥湖コースをオープンさせるなどし、さらに既設ゴルフ場を買収するなどで、現在はグループで保有するゴルフ場は17コース、運営受託1コース(アコーディア・ゴルフが保有するラ・ヴィスタGR)となっている。
再生法申請の理由については、①バブル崩壊後の利用者減、②金融機関から借りた多額のゴルフ場買収資金が益圧迫、③H20年のリーマンショック、④東日本大震災の影響、⑤今年2月に多数の預託金が償還期限をむかえること―などを挙げている。
負債は、預託金会員約1万3000名(他、プレー会員権のコーポレート会員や1代限りのパーソナル会員など、預託金なしの会員が約7000名)の預託金約682億円の他に金融債務などを含め約1276億円と裁判所に報告している。
スポンサーの選定は入札で行い、約90社が参加したともいわれており、太平洋クラブでは「最も良い条件を提示したアコーディアを選定した」と言う。アコーディアは同日、太平洋クラブとスポンサー契約を締結したことを発表。それによると、再生法申請の7社に加えて申請していない三笠観光開発㈱(太平洋C&A美野里コースの保有会社)ともスポンサー契約をしている。これらの会社は減増資や会社分割などでアコーディアの傘下になるとみられる。
ちなみに、㈱太平洋クラブの株式はH18年から太平洋ホールディングス合同会社が保有している。現在、その合同会社には東急不動産の他に大和証券グループが出資し、太平洋クラブを長らく傘下に収めていた三井住友銀行グループは離脱している模様だ。
太平洋クラブは今回の再生法申請に関して、会員を含む債権者への説明会を大阪と東京で開催する。大阪は1月27日に御堂会館で、東京は1月30日に渋谷公会堂となっている。一方、会員の動きも慌ただしくなっており、大阪と東京の弁護士などが「守る会」を立ち上げる動きが出ている。
なお、太平洋C御殿場コース(18H、静岡)は、男子ツアーの主要競技である『三井住友VISA太平洋マスターズ』の開催会場となっており、再生法申請で開催が危ぶまれているが太平洋クラブ、アコーディア共に従来通りで開催したい意向を示している。また、アコーディアと東急不動産の両社は太平洋クラブの共同運営を検討していくと発表している。